新指導要領について(2012/03/27)

春らしい陽気になってきましたね。今週は体験受験が3件入っています。いよいよ新年度が始まります。各方面で告知されていますから、すでにご存知の方も多いと思いますが、来年度から中学校では新指導要領が全面実施されます。高校では数学と理科のみ新指導要領が先行実施(年次進行)されます。

教育関係者の多くは、来年度の中学校の学習現場は大混乱をするだろうと予想しています。私もそうなる可能性は高いだろうと思っています。特に、学校の授業についていけないお子さんが、今まで以上に深刻な状態に陥るのは間違いないと思います。上位層のお子さんについても、今度中学2・3年生になるお子さんは、今までの学習量に慣れているので、学習時間・内容の増加にとまどう可能性があります。

特に注意をしなくてはならないのは英語です。教科書掲載の単語が900語→1200語と増加しました。数字上では300語増加しただけですので、それほど変わっていないように思われるかもしれませんが、これはあくまで新出単語の数ということですので、読み物やレビューに出てくる単語も 定期テストで出題されるとしたら、学習者の実際の負担は今までの2倍になります。たとえば、昨年度までは、定期テストに向けて単語を100語前後覚えていけば良かったのですが、来年度からは200語前後を覚えていかなければなりません。

英単語だけでなく、英文法も難しくなります。(発展)事項を、どこまで詳しく扱うのかは、学校の先生の裁量に委ねられているので、先生によって指導内容にバラツキが生じると思います。新指導要領の実施に伴い、学校の授業時間も大幅に増加します。英語は105時間の増加、他教科も30時間~100時間前後増加します。学習内容が増えた分、授業時間も増えたので特に問題はないように思えますが、学校の授業を聞いていなかったり、授業についていけないお子さんにとっては、授業時間が増えても内容を吸収できないので、学習内容が急増した分だけかなりの負担増になると思います。

特に、新中学1年生のお子さんは注意してください。 新中学1年生は、小学校で英語教育を受けていることを前提に授業が進められることになっているので、中学入学後の3ヶ月間にかなりの数の単語を習います。 中学入学時にアルファベットが書けない状態ですと、この段階で落ちこぼれてしまいます。現時点で、小学校のテストで80点以下の点数を連続して取っているお子さんは学習塾を検討されるか、今のうちに既習事項の復習と中学内容の予習を親子で一緒にされることを強くお勧めします。新指導要領のもとでは、一度学校の授業についていけなくなったら、上位学年で挽回するのは今まで以上に難しくなると思います。小学校のテストで100点ばかりの子でも、中学に入ったら通知表では「3」しかもらえないということがよくあります。小学校のテストで80点以下を取っている場合は、中学校の授業についていけない可能性が 極めて高いです。

移行措置が開始された3年前にも申し上げましたが(こちらのページです)、 今回の新指導要領の実施に合わせて、私自身は教える内容や教え方を変える必要はないと思っています。指導要領が改正される前から、高校で習う内容も上位層のお子さんには教えてきました。 ですから、特に教える内容を変える必要はありません。 英単語のプリントが今までより増えるぐらいです。 ただ、新指導要領の指導計画案を見ると、来年度の定期テストの範囲は広くなることが予想されたので、それに合わせて、1年前から教えるペースを上げました。1年前から教えているお子さんたちは、英語と数学に関しては新学年の1学期の中間テストの範囲まで既に学習済みです。この春休み中に、期末テストまで終わりたいと思っています。ただ、去年の夏休み以降に教え始めたお子さんたち、それから、これから教え始めるお子さんはかなり大変です。春休み中に先行組に追いつこうと、猛スピードで授業を進めているところです。 パソコン、メール、FAXを駆使して、授業時間の不足を何とか補っています。

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