テストで高得点が取れないのは理解できていないから?(2018/06/08)

東海地方もついに梅雨入り。私の髪はくせ毛(天然パーマ)なので、この時期は大変です。 ほうっておくと収拾がつかないほどクルンクルンに。

さて、今回はテストで高得点が取れない原因についてです。 一般的には、テストの点数が悪いのは理解できていないから、と思われているようです。 しかし、私の経験では実際は必ずしもそうではありません。 テストの点数が平均点より20点を下回る場合は理解不足or勉強不足が原因ですが、 平均点を10点以上上回るケース(60点~70点付近)では 解き方に問題がある場合がほとんどです。

「理解できていると思うのですが・・・」と塾では言われるのですが、高得点が取れません。

というケースでは、ほとんどがお子さんの解き方に原因があります。 この場合、「もっと問題を解きましょう」と塾からアドバイスされることが多いようです。 ところが、演習量を増やしても点数が伸びないものですから、どうしたものかと悩んでしまう。 演習量を増やすことはもちろん大切なのですが、 正しい解き方で解かないとなかなか点数には反映されません。

例えば、失点の原因NO.1の計算ミス。 計算ミスを防ぐには計算力をつけることが大切だとよく言われます。 計算力をつけるには毎日計算練習をしましょうと。 その通りだと思います。 ただ、正しい解き方で計算しなければ、 どれだけ問題を解いても計算ミスは減りません。 逆に言えば、正しい解き方で解けば 現在の計算力でも十分にミスを防げる場合も多いのです。

計算ミスをしやすいものの1つ、分数を含む方程式。 これを分数のまま計算する子がいます。 複雑な分数になればなるほど、 通分するのに時間がかかるし。ミスもしやすくなります。 分数を含む方程式は、「最初に」「両辺に」最小公倍数をかける。 「最初に」「両辺に」。ここがポイントです。 そして、答えが出た後に、もとの方程式に値を代入して 方程式が成り立つかどうかを検算をする。 ここまですれば計算ミスで失点することはまずありません。

おもしろい計算ミスでときどき見かけるのは、 「36÷2=13」という間違い。 数年に1回はこの間違いを見ます。 ほとんどのお子さんは、「あ~、計算ミス」で片付けてしまいますが、 実際は計算ミスをするべくしてしている可能性が高いです。 どういうことかと言いますと、この計算ミスをするお子さんは たいてい一の位(6)から割り算をしているのですね、 「26÷2」や「46÷2」でしたら、 一の位から割っても正解が得られるものですから、 つい「36÷2」でも同様に一の位から割ってしまう。 おそらく小学校の習いたての頃は十の位から割っていたと思いますが、 いつの間にか自己流の計算方法になってしまったのでしょう。 これを「計算間違い」で片付けているうちは、 どれだけ計算練習をしても計算ミスは減りません。 十の位から割るように意識しないといけません。

高得点を取る子とそうでない子を日々教えていて感じるのは、 両者は理解度において差がほとんどないということです。 むしろ違いが出るのは正しい解き方をしているかどうか。 正しい解き方をしているお子さんは、 「できたりできなかったり」ということがありません。 一方で、自己流の解き方をしているお子さんは 安定して正解できないので、点数にバラツキが生じます。 塾や家ではできたのにテストでは点数が取れないというケースは ほとんどがこれが原因です。

私は、お子さんの答案(途中式、メモ書き)を見て、「違和感」を感じたときは、「ここは、こうしたほうが良いよ。」と伝えています。 あとはそれにどれだけ耳を傾けてくれるか。 ほんとにわずかなこと、細かなことです。 お子さんからすれば、「そんな細かいこと、面倒なことする必要あるの?」というぐらいの。 その細かなこと、面倒なことの積み重ねが高得点につながります。 たくさんの問題を解くよりよほど確実な方法です。

ただ、私のアドバイスをお子さんがすぐに受け入れてくれるとはまったく思っていません。 「家庭教師の先生の言うことを聞けば成績は上がるから!」と お子さんにおっしゃられる親御さんがときどきいらっしゃいます。 それを目の前で聞いていて、 非常に有難いといいますか、恐縮してしまうといいますか。 お子さんにも意思があります。 自己流の解き方をして間違えなければそれで良いと私は思います。 そのほうが楽しいと思いますし。 でも、自己流の解き方をして間違えるようだったら、 とりあえず家庭教師(私)のアドバイスを少し受け入れて解いてみる。 それでうまくいったら解き方を修正してみる、 その程度の素直さ、柔軟さがあれば十分だと思います。

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