数学の教え方(2007/02/20)
数学が苦手な生徒に共通する特徴は、記号への拒絶反応です。aやらnやら記号を多く目にすると、それだけで嫌になってしまう。そこで、私は、数学を教えるときには「記号を具体的に言葉で言い換えて」説明するようにしています。 すると、生徒の反応が驚くほど良くなります。
例えば、等差数列の和の公式、Sn=n/2(a1+an)。 このように記号で書くと何を意味しているのかわかりません。 そこで、この公式を、和=1/2×項数×(初項+末項)と書き直します。 しかし、まだ不十分です。 初項や末項って生徒には何だかわかりません。
先日、教え子が「等差数列の和の公式を学校で習っているけど、チンプンカンプン。 何をやっているのかわからない」と言うので、次のように私は言いました。
「じゃあ、1+2+3+・・・・・+10の計算をしてみて」
生徒は「わからない」と言うので、次のようにアドバイスしました。
「まず、最初の数と最後の数を足すと?そう、1+10で11になるよね。じゃあ、この足し算(数列)の中に数は何個ある?そう、1から10までだから10個。じゃあ、さっきの11と今の10をかけると?そう、110。それを2で割ると?55。それが答えです。等差数列の和は、最初の数と最後の数を足したものに、個数をかけて、2で割るだけ。」
このわずか1分程度の説明で、生徒は何かをつかんだようで、教科書の類題に自分から取り組み出しました。勉強の初期段階は、この程度の説明でも十分にわかると思いますし、試験の点数にも結びつきます。そして、慣れてきたら記号などの抽象論に入ればよいと思います。導入から抽象論の世界を展開すると数学嫌いの生徒は脱兎のごとく逃げてしまいます。