お子さんのタイプと対策(2007/10/05)
1 勉強時間は長いのに、成績が伸びない場合
<状況>
机に向かっている時間は長いのに成績が伸びないケースです。 文系科目の点数は良いけれど、理数系科目の点数が低いのがこのタイプの特長です。模試の成績(偏差値)が、定期テストの成績より低くなることが多いです。このタイプのお子さんは、表面的な勉強になってしまっている可能性が高いです。たとえば、わからない問題を答えを見ながら解いている、間違えた問題を赤ペンで直すだけで解説を読んで理解していない、 根拠に基づかずに選んだ答えでも正解していたらそのままにしているなど。このタイプのお子さんは、自分の勉強法が正しいと思っていることが多いので、自分から正しい勉強法に直すのを期待するのはなかなか難しいです。このケースでは、進学塾で伸び悩むことが多いです。
<対策>
このタイプのお子さんには、答えに至る過程・根拠を自分の言葉で説明してもらう のが効果的です。たくさんの問題を解くよりも、まずは少なめの問題を与え、一問一問の解き方を説明できるようにします。理解が深まったところで、演習量を増やしていきます。もともと努力家のお子さんなので、軌道修正ができれば成績が上がっていきます。
2 勉強時間は短いが、成績は平均以上の場合
<状況>
家庭での学習時間は短く、成績は下がりもしないが上がりもしないケースです。理数系科目の点数のほうが文系科目よりも高くなる傾向が見られます。このタイプのお子さんは理解力や現場思考力は高いのですが、コツコツと机に向かうのが苦手です。性格的には、のんびりや・面倒くさがりやが多いです。 テストではそこまで悪い点数にはなりませんが、高得点が取れないのがこのタイプの特徴です。
<対策>
このタイプのお子さんには、こちらで暗記する機会をつくって確認し、 事前に勉強時間を十分に確保するのが効果的です。もともと理解力は高いので、暗記科目を中心に最後の詰めの部分までフォローできれば、点数がぐっと上向きます。自分の目標を見つけると、成績が急に上がることがあるのもこのタイプのお子さんの傾向です。
3 勉強時間は短く、成績が平均を大きく下回る場合
<状況>
家庭では机に向かう時間が短く、成績が平均点を20点以上下回るケースです。学校や塾の授業をほとんど理解できていないことが多く、勉強に対する意欲があまり見られません。お子さん自身もどこがわからないのかわかっていない可能性が高いです。
<対策>
このタイプのお子さんは、前学年からの積み残しが多いため、既習分野のフォローを同時にしていかないと成績が安定して伸びません。特に、平均点低下の期間が1年・2年と長く続くほど、 すぐに挽回することが難しくなります。現在学校で習っている分野を押さえつつ、今までの積み残しの分野にも取り組むことが有効です。入試対策では、力を入れる科目・分野を絞るなど志望校合格のための入念な作戦が必要です。