自分で解決しようとする子は成績が伸びる(2011/04/01)
4月になりました。桜の花も咲き始めて、春の訪れが感じられるようになりました。春は別れの季節であるのと同時に新しい出会いの季節でもありますね。春休みに入って、私も体験授業に出かける機会が多くなっています。いよいよ新年度が始まったな、と新鮮な気持ちでいます。
最近、改めて感じているのは、家庭教師は「教える」のが仕事ですが、丁寧に教えたからといって、お子さんが「できる」ようになるとは限らないということです。お子さんが教えてもらうことに慣れてしまうと、わからない問題に出会った瞬間に思考が停止して、自分で考えようとしなくなります。テキストや問題集の解説を読んで理解しようともせず、だんだんと成績が下降します。いかに教えすぎずに教えるか、ここが難しいところです。
こういう理由もあって、平均的な学力があるお子さんを教える場合は、私が前面に出て教えるのではなく、まずはお子さんに自分でテキストを読んでもらって、問題を解いてもらって、そのあとでわからないところを私がサポートをする流れで授業を進めています。理解のしやすさという点からも、自分で考えて悩んで、そのあとで説明を聞いたほうがスッと頭に入りますよね。 それで、もしお子さんがわからないところがないようだったら、今度は逆に私のほうからどんどん質問をして「本当に」理解できているのかを確認していきます。「この用語の意味は?」「この選択肢はどうして正解にならないの?」「この問題はどうしてこう解くの?」という感じで。すると、きちんと勉強ができていないお子さんはどんどんボロが見つかります。こうやって理解ができているかどうかを一緒に確かめながら、理解するとはどういうことかを体得していってもらいたいと思っています。
ときどき用語を丸暗記しているだけで、その内容をまったく知らないというお子さんがいます。たとえば、「小選挙区比例代表並立制」という用語をお経のように唱えて丸暗記していて、どのような選挙制度かまったく理解できていないとか。 こういう手抜きの勉強をしているお子さんは、テストの点数が伸び悩みますし、何より勉強することがおもしろくなくなってしまいます。わからないところがあったら解決するまで粘り強く取り組んでいるか、わかったつもりになって誤魔化していないか、授業中に1つ1つ確認しています。これを繰り返すことで、わからない用語や問題があったときに、教えてもらうのをただ待っているのではなくて、自分で解決して理解しようとする姿勢がだんだんと身についていきます。
先日、高校1年生の男の子が、実力テストで数学が学年1番だったと報告してくれました。彼は、間違えた問題があったら、解説を読んで理解をして、再度解き直しをしています。彼はこれを中学の時からずっと続けています。私はときどき学校の宿題を一緒に解く程度。私のサポートはこのぐらいがちょうどいいのだと思っています。