センター試験の感想と対策(2012/01/18)
センター試験が終わりました。国、数、英は例年通りの難易度だったと思います。今年は、国語の評論文が難しかったですね。センター試験はいかに失点を防ぐかが大切ですが、二次試験は得意教科でいかに得点を伸ばすかも重要です。特に、理系の大学では数学、理科に傾斜配点を設けていることがありますから、志望校の過去問を吟味して、対策を立てるのがポイントです。
中学3年生のほうも、学年末テスト(総合テスト)が終わりました。これから、私立高校入試、公立高校入試と続きます。私立入試は学校で習っていない事項も出題されますが、そういう問題では点差がつきにくいので、基本問題を確実に得点するのが鍵です。
大学入試でも、高校入試でも、根拠に基づいて問題を解くことが大切です。センター試験のようなマーク式の問題だと、合っていた、間違っていたとクイズ問題を解く感覚で問題を解いているお子さんがいます。根拠に基づかずに出した答えは、たとえ正解できていたとしても、それは間違えたのと同じなのですよね。私は、「どうしてその答えになったの?」とお子さんによく質問します。答えが合っていようが間違っていようが、その答えに至る根拠が一番大切だからです。
たとえば、今年のセンター試験の英語の問題(第2問の問4, 問9)。問題の英文に含まれる英単語は基本的なもので、一見すると容易に解けそうですが、 英文の構造を考えて、根拠に基づいて答えを選ばないと確実に正解できない問題です。 こういう問題できちんと勉強してきた子とそうでない子の点差が開きます。確かに、センターでも2次でも、以前に比べると複雑な英文構造を読み解く問題は減ってきていて、 日常生活で使われるような平易な表現を問う問題が増えています。だからといって、文法を勉強しなくてもよいわけではなくて、 基本的な文法事項は確実に理解して、その上で英単語・熟語を覚えておかないといけません。前出の問4で問われている「have~on」という熟語は どの熟語集にも載っている基本的なもので、ほとんどの受験生は知っていると思います。ですが、文構造を見抜かないと、なかなか正解できなかったと思います。
もちろん、根拠に基づいて解くための道具も必要です。英語は高校レベルの英単語2000個、熟語1000個、 国語は現代文用語300個、古単語500個、漢文表現200個、この程度は覚えていないとセンター試験で8割、9割の点数は取れません。英単語を覚えないで英文を読もうとするのは、 大工道具を持たずに家を建てようするのと同じです。 英単語を見た瞬間に日本語訳が言えるぐらいになるまで徹底的に覚えておかないと、勝負になりません。現代文でも、設問を読んだらすぐに設問部分の言い換えを探そうとするお子さんがいますが、 設問部分に含まれる用語が理解できなければ、確実に正解できないと思います。 たとえば、「自己意識を確立し」とか「内的世界を外的世界に投影し」という言葉があったときに、それらの意味が分からなければ問題は解けないのですね。
問題を解くテクニックに走る前に、まずは正確に知識を覚えること、次に真正面から問題文と向き合って内容を理解しようとすること、最後に根拠に基づいて問題を解くこと、が大切だと思います。