過去問は何回解くべきか。(2018/12/20)

気が付くともう年末。 そろそろ志望校が決まって本格的な受験シーズンが始まります。

この時期になると、お子さんからよく聞かれるのが 「過去問は何回解けばよいのですか?」という質問。 結論から言うと、1回でも2回でもいいし、場合によっては解かなくても良い (どのような問題が出るのか見ておくだけでよい)、 と私は思っています。 私の指導経験から申し上げれば、 過去問を漠然と繰り返し解いても、ほとんど点数は変わらないです。 もちろん、2回目は問題を覚えてしまっているでしょうから、 1回目よりも良い点数は取れるでしょう。 だからといって、初見の問題が以前よりも解けるようになったかと言えば、 必ずしもそうではないのですね。 過去問を時く回数よりもどのように解いて活用するかが大切です。 過去問を解くときのコツを3つご紹介します。

1つめ。あと少しで正解できそうな問題を優先する。

間違えた問題を、あと少しで正解できそうな問題(1)とまったく手が出なかった問題(2) に分けて、1のタイプの問題を確実に解けるようにします。 2のタイプの問題は、解説を読んで理解するだけでも時間がかかりますし(特に独学の場合は)、 この時期に手も足も出なかった問題は、もし本番で類題が出たとしても 得点できる可能性が低いです。 1のタイプの問題をすべてつぶしたあとで、 なお時間が余るようだったら、 2のタイプの問題に取り組むことをおすすめします。

2つめ。解いたことがある問題(基本問題+アルファ)を確実に解く。

入試では、学校や塾で習わないことも出題されます。 過去問でそういう問題を見ると、 お子さん(親御さんも?)の中には慌てて難しい問題集を買い込んで、 あれこれ手を広げようとする子がいます。 いざ始めたものの、自分のレベル以上の難しい問題集はわからないところだらけ、 一向に進まず途方に暮れてしまう可能性大です。 見たことがない問題を見ると焦る気持ちはよくわかります。 が、見たことがない問題よりも、 学校や塾で習った問題が確実に解けているかをチェックしてください。 もし、それらの問題で失点しているようでしたら、 学校や塾のテキストに戻って復習するほうが合格に近づきます。 難しい問題集に手を出す前に、 今まで取り組んできたテキストの問題がきちんと解けているか 確認することが大切です。

ここで大切なことは、一見すると見たことがない問題でも、 よくよく考えると 基本問題を複数組み合わせたものに過ぎなかったり、 与えられた資料を読み取れば解けることが多いということです。 私はこのタイプのの問題を基本問題+アルファと呼んでいます。 文字通りの基本問題(学校や塾のワークそのまま)はほとんどの受験生が正解するので、 点差はつきません。 この基本問題+アルファをいかに得点に結びつけるかが合否の鍵を握ります。

過去問を解く最大の目的はここにあると私は思っていて、 基本問題の組み合わせ方やひねり方は学校によって傾向が異なります。 一見見たこともなく解けそうもない問題を、 基本的な知識を組み合わせて、ときにはフル動員して、 正解にたどりつくまでの方法を学ぶ。 その練習のために過去問を利用すると良いと思います。

3つめ。どの問題が解ければ合格推定点に達するかどうかを計算する。

3つめは、1つめと2つめとも関わります。 1つめと2つめの問題が解けたら、 合格推定点に達するかどうかを計算します。 それでも、合格推定点に達しない場合は より高度な問題集に取り組む必要が出てきますが、 たいていの学校は合格推定点に達するはずです。

過去問の解き方については、こちらの記事も参考にしてください。

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